三國無双

□倒錯
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居ても立ってもいられぬ高揚感が、彼を支配して居るのだ。
今ならば、此の世全ての事柄を理解し、吸収することが出来るという錯覚。

其の事を顕著にあらわすもう一つの音は、心音である。


徒に。あたかも理由の無い発作的な動悸の如く。



そして、一気に流し込む。
焼け付く程甘い。

胃の腑と胸が、底からあたたかくなるのを感じる。

溢れ出んばかりの花の香。

酒を、こんなに旨いと思うことは数年振りであった。



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