三國無双

□晩秋
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多分、見た夢は其れ程嫌な夢では無い。寧ろ。



だからこそ、尚更である。



既に終わって、見えなくなってしまった心地好さ。



其れが

将としての己を煩わせるならば、自ら断ち切らねば、成らぬ。



策略を巡らせ、兵を動かし、私もまた駆ける。
そうあれば良いのだ。


良いと、思う。






無理に気を紛らわそうとはせずに、静かに波に耐える。
出来る事と云えば、指を忙しなく動かす事位である。
しかし其れは細く、此方に繋ぐが如し。

静かに、息を吐いて、耐える。




暫し後、周瑜は冊の音をたてながら立ち上がった。

ゆるゆると。
急な刺激を与えぬ様。




そして彼は、温かい茶が欲しいと、未だ痛む頭で思うのであった。








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