三國無双

□追憶
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天に突き抜ける空は、雲一つ無く澄んで、何処迄も青い。
季節は初夏。
絶好の狩猟日和だ。

しかし。

城の居室の雰囲気に比べれば、こんな穏やかさは嘘、である。
偶々書簡を届けに来た周瑜は、此の光景を呆れ半分、哀れ半分に眺めて居た。

「孫将軍!何度言えばお分りになるのです!!
貴方が目を通さねば、執務全般が滞ってしまうのですよ!」

「だってよ、こんなに良い天気なのに、室に籠もるなんて柄じゃな」

「子供の様な事を仰せになりませんよう!」

「はい」


一文官にこっぴどく叱られる孫軍の大将は、矢張り相当のことをしでかしたのである。
軍務のみならず、民政に迄も関わる重要な執務を放り、あまつさえ狩りへ出掛けようとしていたところを、発見されたという事だ。
常の周瑜ならば、此の年若い文官と同じく諫めて居たことであろう。
だが、今日はその必要は無かった。
彼は、戦場に立つ時と同じく、目を見張る様な集中力で仕事を片付ける事が出来る伯符を、其れだけ信頼しているのだ。此の怒りようも無理は有るまい。

そんな心中等つゆ知らず、孫策は尚も食い下がって言う。
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