小説T

□『残り想』
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「イザーク。誕生日、オメデトさん。」



薄暗ーい室内に、その場に不釣り合いな程の明るい声が響く。




   .+‥【残り想】‥+.




「…何だ?…」

此方は、至って不機嫌な声。

「な〜に、くっらい顔してんだよ?」

室内に入ってきた人物、ディアッカが部屋に備え付けられているソファーへと座り込みそんな事を言う。

「…俺は何時もこんな顔だ!」

まあそりゃそうだけれども…。

そう思ったけれど、敢えてそれは口にしない。

「…自分の誕生日くらい、明るい顔しても良いんじゃないの?」

背もたれにもたれ掛り、頭の後ろで腕を組む。

「…こんな時に、誕生日くらいで浮かれてられるか…。」

こんな時…

ザフト軍に地球軍、今ではオーブ軍迄…

情勢は、悪化を辿るのみ。

あの時、終わった筈の戦争が、今、再び…。
否、終わって等いなかったのだ…。

沢山の犠牲を払い…
それでもなお……
 
 
 
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