黒バス

□レオ姉さんの恋愛事情
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 征ちゃんが入部してきた頃、正直嫌いだった。中学時代に何度か対戦したことはあるけれどその頃から気にくわなかった。
 特に何でも見透かしているような、あの目が気に入らない。コート全体を見渡していてまるで監視されてるみたいに視線が纏わり付くあの感覚。


 それと正直無冠の五将って呼び名も嫌いだった。周りの人達にはすごいと持て囃されたけど、要するにキセキの世代より劣っているってことでしょう?そんなレッテルをつけられて嬉しいわけがない。
 彼らに負けているはずがない。けれども試合をする度に現実を突き付けられる。1on1なら負けないと思っていても、結局バスケットボールはチーム戦だ。どんなに優れた選手がいても残りの選手が並では、キセキの世代には到底勝てなかった。


 嫌いだった。キセキの世代が、赤司征十郎が。どうしようもなく、嫌気がさすくらい。


 そんな彼と再会したのは今年の春のことだった。監督から赤司征十郎が入部してくることは聞いていたけれど仲良くなる気は全くなかった。チームメイトとしてなら仕方ない、勝利のためならと打算的に思っていた。
 だから最初は反感を持っていた。けれども一緒にプレイしていくうちに、彼の本当の力が分かった。反感なんて持っていた自分がどうしようもなく恥ずかしくなるくらい、彼の力は圧倒的で魅力的だった。
 そこから恋に落ちるのは本当に早く、今ではすっかり彼の虜だ。


 
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