捧げ物
□君の事なら
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「恭弥って体細いよね」
アラウディが僕に変態発言(ほぼ日常的)をしてきた。
というか何言ってんの。
何勝手に人の体観察してんの。
金取るよ本当に。
「何いきなり」
「手首とか本当細いね食べていい?」
「黙れ変態」
並盛は今日も平和だよこの人の頭以外は。
どうしてこの人はこうも僕がぞわっとすることを真顔で言うのか。
変態だからだね、うん。知ってる。
「嘘だよ、噛んでいい?」
「あんまり変わってないよね。」
「嘘だって、「舐めていいとか聞かないよね」
「……………」
ワオ。本当に言うつもりだったんだ。
っていうか手首舐めるとかどこぞの変態なの。
「恭弥、手首かして」
「嫌だよ」
あれを聞いた後にかせると思っているのだろうかこの男。
「舐めたり噛んだりとかしないから」
「………」
少し警戒しつつ手をアラウディの方へ持っていく。
その瞬間ぐいっと引っ張られ僕はもう一つの手でトンファーを掴んだ。
ちゅっ
「は。」
まぬけな声が自分のだと理解するのに2秒。
その状況を理解するのにもう3秒。
みるみるうちに顔が熱くなる。
「/////?!!何っ…してんのさ馬鹿!!」
もう片方で掴んでいたトンファーをアラウディに向かってふる、
だけどやっぱりかわされて今度はアラウディの右手にトンファーを掴まれた。
と思ったらアラウディの左手が僕の腰にいく。
本気で腹蹴ろうか。
「可愛い反応しないでよ。それにしてもちゃんと食べてるのかい?随分と細いんだけど。」
耳元でそんな事を囁かれ恥ずかしさやら何やら分からないものが込み上げる。
「うるさいよ変態!!////」
「黙らないと口にするけど」
「ΣΣΣ………」
アラウディの口にする、というのは
キスの事だろう。
それは避けたい。ひどいかもしれないけど今のアラウディに許す訳にはいかない
から僕は黙る
「成長期なんだからしっかり食べなよ。恭弥背丈低いし」
「…余計なお世話」
毎日牛乳リットル単位で飲んでるよ
一応僕だって背丈気にしてるし。
「………」
「あ、あと」
「…何?」
アラウディが僕の方を見てニヤリと口角を上げた。
「牛乳は飲み過ぎないようにね」
「Σ知って…」
「恭弥のことだ。いつだって見てるさ。」
「…牛乳飲むの風呂上がりすぐなんだけど」
彼の顔がハッとした、「まずいことをした」とでも言うような(いや実際してる)顔で僕から目を反らす。
「……あぁ、うん。」
「〜〜〜!!変っ態!!////」
今度こそ僕はアラウディの腹を蹴り、その場で倒れるアラウディを放置し見回りに出た。
(今度から指輪は応接室に置いておこう)
そんな事思いながら応接室にいるアラウディが心配になり(いろいろプリント漁ってないかとか)また応接室に足を向ける。
そうしてまたアラウディの変態発言に呆れることの繰り返しになるのは言われなくても分かる。
でも仕方ない。
なんだか嫌じゃない。
(………何してるの)
(恭弥の写真かなんかないかなって)
(引き出し漁るのやめろ)
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