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□年はじめ 11'01'01
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あまり興味がないといえば嘘になるが進んで行こうとまでは思わなかったのだろう、乗り気でないリクオは鴆にやや引っ張られるが儘神社へと向かう。


それ程遠くない近所の其処に向かうと予想していた通りの人混み。多くの人は着物を着たりと、鮮やかな色合いが夜でもはっきり見える。

人混みから避けるように少し遠回りをし乍二人は横に並んで歩いていた。




「やっぱこの時間じゃ寒かったな…。」

「そりゃそうだろ。まだマフラーがあるだけで有り難い。」

「…使ってくれてたんだな?」

「今の時期にしか使えねぇし、これしてりゃ暖かい。」



互い似たように腹部当たりで腕組みしてゆっくりと夜道を進んで行く。
神社が近づくと賑やかな声が聞こえだし鴆は此の人混みからはぐれないようにとリクオの左手を握る。


直ぐ反応したリクオは目線を下に落とし次いで鴆を見遣ると照れているのか、目が合わない。ただ握る手に力が入っているのだろう、解くことは出来なかった。




人の波に付いて行くように二人は歩き、周りからは姿が見えていないことを後から思い返す。

漸く順番が来ると懐から小銭を出して弧を描くように投げ入れる。チャリンと音が鳴り響き両手を顔の前でパンパンと拝む様にすると双眸閉じて願う二人。

少しの間静かな感覚を味わい其れが終わるとゆっくり瞼を開け踵を軸に元来た道を戻っていく。



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