婆沙羅
□貴女は腕の中で空を仰ぐ
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あとがき
「貴方の腕の中で空を仰ぐ」の幸村さん視点です。
いやー何度修正しても思うようにならない。力及ばず・・・・・・
正直な話、死ネタって読むの苦手なんですよね。甘い話やギャグが大好きです。
なので、出来る限り幸せに終わるように頑張ったのですが・・・全然そうは見えませんね。すいません。
これを書き始めたきっかけは、ヒロインちゃん視点を書き終えたあと、あるシチュエーションを書きたくなってしまいまして。そのためだけに幸村さん視点を書きました。
そのシチュエーションはおまけとして下に載せました。
『貴方の腕の中で空を仰ぐ』のおまけとは違う、ただただ悲しいだけのほんのちょっとしたおまけです。
それをご理解の上、お進み下さい。
小話
敵の総大将は落ち、撤退を始めたはずなのに旦那と月城ちゃんが帰ってこない。
月城ちゃんが側に付いているし、旦那は簡単にやられる様な人じゃないから大丈夫だと思って後始末をしていた。
だが、虫の知らせというか第六感というか・・・何か感じた俺は旦那の元へと走った。
さっきまで見事に澄んだ蒼天だったのに、現在はどんよりと曇っていて今にも雨が降り出しそうだ。
・・・やはりどこかおかしい。屍があちこちに転がっているのも、血と腐敗臭もいつもの事。しかし、あまりにも静か過ぎる。
焦る気持ちを抱えながら、旦那の姿を捜した。
「旦、那・・・・・・」
ぽつぽつと雨が降り始めた頃。小高い丘に人影を見つける。
そこにあったのは1人の女武将の亡骸と、それを強く抱き締め、声無き声で泣いている自分の主の姿だった。
終