長い夢
□標的1
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今日は、並盛中学校の入学式だ。(以下並中)
新入生は、掲示板に貼ってある自分のクラスを確認しようと皆、必死になっている。
朔もその中の一人だ。
しかし、朔の身長はそれほど低い訳ではないため、あまり苦労はしていなかった。
『(俺、何組なんだろう…。)』
と自分の名前を探していると、後ろの方から聞いたことのある声が聞こえた。
「人が多くて全然見えないね、花。」
「そうね、京子。」
間違いなく、笹川京子と黒川花だ。
会話の内容からして、人が多く掲示板が見えないらしい。
『ねえ、君たち見えないなら俺が代わりに見てあげようか?』
「良いんですか?」
話かけると京子が返事をした。
『うん。見てあげるから二人とも名前言って。』
「はい、笹川京子です。」
「黒川花よ。」
名前を聞かなくても分かっていたが、初対面なのに知っていたら怪しまれるだろうから聞いておいた。
『じゃあ、見てくるからちょっと待ってて。』
そう言うと、朔は掲示板の方に目を
向けた。
『(二人ともツナと同じクラスのはずだから…A組を見ればいいのか。)』