長い夢
□標的2イタリアからやってきたアイツ
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ガキィィン
金属同士がぶつかる音がし何かが落ちた。
『入ってきた瞬間にトンファー投げるなんて何考えてるんですか、風紀委員長サン』
飛んできた何かとはトンファーのことで、それを投げたのは風紀委員長こと雲雀恭弥だった。
「キミが噂通りの人間ならこれくらいどうってことないでしょ」
『(噂?なんだそれ。)』
「とりあえず、キミ風紀委員に入りなよ。」
それを聞くと朔は凄く嫌そうな顔をした。
「言っておくけど、拒否権はないから。」
『(あ゛ぁ゛〜、リボーンに目つけられないようにしないとなぁ)分かりました、入りますよ。』
そう言うと、雲雀は引き出しからプリントを取り出し、朔に差し出した。
「これに必要事項を書いて。」
朔はプリントを受け取ると、名前、所属クラスだけを書いて雲雀に渡した。
雲雀はそれを受け取り目を通すと、フッと笑った。
「やっぱり君は面白いね。いいよ、あとは委員を使って調べさせるからこれで認めてあげる。」
風紀委員会にはプライバシーというものは存在しないのだろうか。
「じゃあ明日、学ランと腕章を渡すから学校に来たらすぐ応接室ね。」
『分かりました。あとは何かありますか?委員長。』
「恭弥。」
『名前で呼べと?』
「あと、敬語はなし。明日からよろしくね、委員長補佐。」
今、聞きたくない言葉を聞いた気がする。
『い、今何て?』
「明日からよろしくね、委員長補佐。」
朔はハァーとため息をついた。
『…拒否権はないと。』
「分かっているならあきらめなよ。」
『あと無いなら帰る。』
それだけ言うと朔は家に帰った。