長い夢
□標的2イタリアからやってきたアイツ
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―職員室―
コンコン
『(何で呼び出されたんだろう…。)失礼します。』
「おぉ!夜那架か、待ってたぞ!!」
担任の顔を見てみると何故か真っ青だった。
『何か御用ですか?』
「実はお前に届けてほしい物があるんだ…。」
そう言って差し出したのは、風紀委員長に直接提出しなければならないプリント。
普通の教師と生徒にとって風紀委員会は恐怖の対象であるためなかなか提出しに行くことができない。
しかし、提出期限をやぶった方が怖いので、教師は自分のクラスの生徒に持って行かせるのが普通になっていた。
『(教師がそれでいいのか?)別にいいですけど。』
「ホントか!?いやーよかった。夜那架なら特に問題を起こしたこともないし、成績もいいからかみ殺されないと思ったんだよなー。それじゃあ頼んだぞ!生きて帰ってきてくれよ!!」
まるで朔が今から死にに行くようなセリフだ。
『(生きて帰ってきてくれって…。並中で風紀を乱すような真似はしないだろ。)』
朔は担任からプリントをあずかると職員室から出て応接室に向かう。
応接室に近づくにつれ廊下は静かになる。
しばらく廊下を歩いていた朔だったが、ある部屋の前で立ち止まった。
プレートには―応接室―と書いてある。
コンコン
と、ノックをすると中から声が聞こえた。
「入って」
入室の許可が出たので扉を開き失礼しまーすと中に入ろうとすると
ヒュン
朔に向かって何かが飛んでくる。