長い夢
□標的2イタリアからやってきたアイツ
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廊下からギャハハハと笑い声が聞こえる。
「テストは?」
「入学以来全部赤点。」
「スポーツは?」
「ダメツナのいるチームはいつも負け。」
体育館にいるツナに聞こえるようにわざと大声で言っている。
「ヘイヘイ、どうせオレはバカで運動おんちですよ。」
『そんなことない。』
後ろから声が聞こえた。
「朔!」
『手伝いにきたぜ』
朔はニカッと笑う。
「いつもありがとう、朔。」
『いえいえ、気にすんなって。』
いつもツナが掃除なんかを押し付けられているときに朔は、どこからともなく現れて手伝ってくれていた。
「―1‐A夜那架朔。今すぐ職員室、担任まで来て下さい。―」
放送の声は少し震えていた。
『ごめんツナ。俺行かないと…。今度また手伝うから、あとは一人で頑張ってくれ!』
朔はそう言うと、体育館から出ていった。
「あ、うん。いってらっしゃい。」
それからツナは、京子と持田のやり取りを目撃してしまい、落ち込みながら帰っていった。