捧げもの

□晴天なり
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その手紙は大量の手紙とともに届けられた。

普段からラブレターというものを大量にもらっている彼にとっては気にも
とめなかったであろう物だったが、なぜか心にひかかっていた。

“月陰より、あなたの事を想っています。”

それはラブレターと言えるべきものではないかもしれない。
だが、その差出人“R”と書かれているの手紙はなぜかシリウスを落ち着かなくさせていた。
「誰なんだよ。この手紙…。」
「さぁ。まぁ君にラブレター送るにしては何かおかしいよね。
大体一行しか書いてないし、名前だって書かれていないし。スリザリン辺りの嫌がらせじゃないのか?」
隣りで今日送られてきたシリウス宛の手紙を読みながらジェームズは答える。
だが、それに対しシリウスはきっぱりと首を振った。
「あいつ等にそんな度胸はない。大体スリザリン独特の臭いがない。
むしろどっかで嗅いだ事のある匂いだ。」
そう真面目な顔で言い、ジェームズは大広間に響くほどの大声で笑い始めた。
「臭い?本当に君は…犬だね。」
肩を震わし、涙目で笑っているジェームズを軽く叩き
テーブルに山積みされていた羊皮紙を暖炉にくべる。
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