長編
□飛ぶすべを知らぬ小鳥は・・・
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冷え切った地下の廊下を歩くスネイプは珍しく大きなため息を吐きながら足取りが重い。
事の発端はある生徒との密会がダンブルドアに知られたことだった。
事あるごとに愛が大事だと言ってはいたが、まさか闇の陣営とのダブルスパイである自分がその拠り所になっていることに危機感をもたれてしまったらしい。
できればもう少し情勢が落ち着くまでと、勉学の励むようにということで指示が出たのだった。
確かに最近妙に勉強が偏り、そわそわしていて落ち着きがない。
この状況で万が一闇の陣営らに狙われたりでもしたら大事になるのは目に見えている。
恐らく部屋で待っているであろうその小さな恋人にどう切り出せばいいのか、足取りも重たくなるものだった。