短編

□盗聴はダメ
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最近、ポッターの様子がおかしい。
地下牢に続く階段ではしょっちゅう楽しげに笑っている。
スリザリン寮監、スネイプ先生の奴にとっては辛い、
僕にとっては爽快な授業があるというのに…。
2ヶ月くらい前から様子がおかしいかった。
「マルフォイ、君はもう魔法薬学のレポート出した?」
クラッブの低音が聞こえ、はっと我に返った。
「あぁ。もちろんだとも。…あれ?」
昨日出したはずだ。なのに…なぜ鞄の中に?
「しまった!まだ提出していない。
クラッブ、ゴイル。二人とも書き終えているか?」
僕の問いになかなか反応をしめさない…
一呼吸開いてから返事なんて…なんて鈍いんだ。
「明日出すよ。」
手元見ればわかる質問だったみたいだな…。
二巻き分の羊皮紙が3行しか書かれていない。

しかし…このレポートは冬休み前に出た課題だ。
つまり冬休み4日目の今日には終わっていてもいい課題。
それがたったの3行…。まぁいい。
この機会にスネイプ先生に渡した例の物で中の音声でも聞いてみるか。
「じゃあ僕は出してくる。」
談話室を出、地下牢を歩く。

今はまだ生徒の出入りが許されるぎりぎりの時間。
なぜこんなにも夕食後の時間が短いんだ。
もっとも、先生の罰則や用事、手伝いなどでは多少遅れても大丈夫だ。
ポッターはしょっちゅう罰則を受けているから時間なんて守れていないだろう。
スネイプ先生には申し訳ないけど罰則を受けている時の
ポッターの様子を聞くためにプレゼントした特性羽ペン。
僕のもっているこのイヤホンとやらで盗聴できる。

この冬休み中、ポッターは罰則を受けていたはずだ。
今は…いないと思うけどスネイプ先生がいるかどうか聞くのに使えるだろう。
杖でボタンのような物を軽く叩き、耳にはめる。
奥の部屋にいるのなら扉の前にこないと聞こえないほど弱いものだけど…。
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