血盟城の住人達

□第一章
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眩しさに目を覚ませば

ワンルームタイプの部屋に
朝日が明るく差し込んでいる。







(………っ)







光が苦手なうえに
寝起きの目には強すぎる。




ベッド脇のカーテンを閉めるために
だるさの残る腕をあげた。





















シャワーを浴びながら
昨日部下に提出させた
書類の内容を思い出していく。







(…今日の夕方までに再提出だな。)








部下の双子の兄貴の方は
文章力が…かなり低い。






(あんなのを上に回すなんて…
何で弟はあいつに書かせたんだ)







呆れていると、
上が下した命令を忘れていた。









(…………城で考えよう)




















「おはようございます、隊長!」


「…おはよう」













朝、8時―――早めの出勤。






巨大な木製の門をくぐると
門番の若い青年から声をかけられた。







「…元気そうだな」




「勿論ですとも!
 いやー隊長、今日も麗しい!」










毎回言ってて飽きないのか…



背中越しに手を振って
お褒めの言葉を貰っておいた。






















石畳の道に立つ門をくぐれば…


城下町の喧騒は姿を消し、

どこか品格を持つ、
張りつめた空気を漂わせる。




















この空気の原因はただ1つ。





















目の前にそびえ立つ、城にある。






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