詩と物語

□針
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あの日誰かに
振りかざした
言葉の針が

ボクじゃない
誰かに触れた

ボクは
この言葉が針だと
気づかなくて

その人に
穴を空けていたのを
知らなくて

鋭い針より
鈍い針のほうが
痛いって

いつもあとから
気づくんだ


あの日誰かに
振りかざした
言葉の針

叩くのと違うのは

 明日も針は
 刺さったままなこと

錆び付けば針は
抜けなくなって

鈍い痛みが
怒りが悲しさが

頭の裏側を
侵食していくんだ


そうやって

ごめんの一言を

 いつまでも
 待ってるんだ

どうか針を抜いて

 ボクの方こそごめん
 って言わせて

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