青春
□高2年〜3年の間の春休み
[大切な時間]
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倉田sideB
花見場所は弓道場裏
桜は満開で、俺の好きな八重桜だった。
八重桜は遅咲きの桜だけど、今年は暖冬だったから早く咲いたんだろう。
春休み中も弓道場に来てたけど、普段あまり通らない場所だからこんな風に咲いてるなんて知らなかった。
「すっげぇきれいだな」と上村。
「うん。
いつも散りかけてるのしか見ないもんね。」続いて野上。
「上村たちは毎年見てるのか?」
「見てるっていうか
イセがよくここで寝てるし」
いつも探してもいないと思ったら…
あいつはこんなところにいたのか…
もう2年もずっと一緒にいるのに
よく考えたらあいつのことよく知らない…気もする。
野「どこ座る?」
上「あぁ…あそこは?」
野「そだね。一番大きい木だしね。」
上「…結大丈夫か?」
「へ? あぁ」
野「でも、さっきから喋んないし、なんか顔色も悪いし。伊勢崎来るまで寝てれば?」
「うん…」
確かに昨日勉強してて夜遅かったし…眠いけど。
そんなに具合悪そうにしてたか?
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