青春


□高2年〜3年の間の春休み
[大切な時間]
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倉田side@


ピンポーン

朝っぱらからインターホンが鳴る。
勉強していた手を休めて廊下にある受話器(?)をとる。

――ガチャ
「……………はい」


相手は多分…

『俺!!』

やっぱり…
春休みだっていうのに毎日会ってる気がする。
「……オレオレ詐欺は間に合ってます。」


ガチャ―――

伊勢崎も毎日よくやる…俺のトコなんかより上村の家とか行けばいいのに。


「ちょっ待って!!伊勢崎!伊勢崎です!!入れてください!!!」


さすがに近所迷惑になりそうだし、扉を開けに玄関へ行く。


……ガラガラガラ

「よかったぁ。
 入れてくれないかと思った。」

「そりゃ来るのは別にいいけど…毎日毎日わざわざ家まで来て『ナギセさんに会いてぇ』って…聞き飽きた」

「あはははは!!」

「笑いごとじゃないよ…」

「あははっ
悪かったって。そんな拗ねんなよ。」

「拗ねてないし」

「まぁ、じゃあ、ちょうど良かったかな」


「は?」


「今日から違う話だぜ」

伊勢崎は普段メチャクチャだけど、俺の嫌がることは絶対しない。そういうところスゴいと思う。

でも…




「明日、野上たちとお花見しに行きます!!」


「は?」
…たまについて行けない時がある。


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