激安☆現実味

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[空side]

第四チェックポイントを目指している私と数馬君は、時間短縮するために山の中を一直線に通っていた。

空(ふぅ;やっと、山の1/5辺りですか・・・。あぁ、終わりが見えない(泣))

頭の中で嘆いてる中、後ろから付いてきている数馬君をチラリとひっそりと見る。

空(私の足が遅いせいで、まだ、これだけしか歩けていない事を賢い数馬君は気づいていない訳がないですよね;
彼は、優しいですから文句を言いませんが、内心は「山の中を1/5程しか歩けていない先輩と一緒になるなんて、僕ってば外れクジ引いちゃったなぁ(泣)」とか思われていたらどうしましょう(泣))

後輩を気にしながら歩いていると数馬君が繋いでいる方の手を引っ張り私の事を呼ぶ。


数「灰色先輩!今、彼処(あそこ)で物音がしませんでしたか?」

空『物音・・・?』
(物音ですか?)


数馬君が指で示している草影を覗くと確かにガサガサと動いていた。

空(ヒィッ;!?なんか動いてる!?)

動く草に怯えている数馬君は直立不動に立っており、忍タマで、お約束のように鼻から魂が抜けかかっている。
魂を捕まえて入れてあげると、意識を取り戻した彼は私を盾にしてしがみつき、小さな悲鳴を上げた。

空(何あれ、何あれ;!!?
幽霊?幽霊なんですかコノヤロウ!!それともUMA!?
私としては、是非とも後半のUMAであって欲しいです!まぁ、チュパカブラよりはツチノコとかドラ○もんに出演なさっていたピースケ位のネッシーでしたらOKなのですが・・。
あッ!!でも、ツチノコってビールビンの高さ位まで跳べるんでしたよね ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・可愛いかも(萌))

ちょびちょびと飛び回るUMAを想像したら、草の中にいるUMA を見たくなるのが女の子・・・・・・勇気と好奇心を背負って草の中を覗こうと試みる。
そんな私の行動を見ていた数馬君は、何度も静止の声を掛けるが右から左へと耳から流れていく私には虚しくも届かない。


ガサッ


数「やっちゃったー!?」


背後から嘆く声が聞こえるが、私は目の前の生き物に興奮していた。
その生き物はツチノコと同じ大きさで、目はピースケのように丸く、チュパカブラの耳と同じく長く、雪男のようなモフモフ感。
そう、その生き物の名前は・・・・・・・・・・・・・・・NO・U・SA・GI!!

空(うさたんキターーー!!)

うさたんが可愛いくてフリーズしていると、動かない私を心配してくれたのか数馬君が警戒しながらも近づいて来てくれた。


数「灰色先輩、大丈夫ですか?・・・・・って、野うさぎ?うわー!可愛い。」


ふわふわとした柔らかい毛が魅力的な野うさぎを抱きしめようとした数馬君だったが、機嫌が悪いのか彼の手を前足で叩き落とし、鼻をブッ、ブッと鳴らす野うさぎ。

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