激安☆現実味
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[空side]
部屋の戸を全部開けて風を通すと一気に吹き抜けた感じがした。
戸を開けた私の後ろでは、ガタゴトと重たそうな大きい箱を外へと動かしている文次郎君や長次君。それに本の選別をしている仙蔵君に竹蜻蛉(タケとんぼ)で遊びだしだ小平太君がいた。
仙「小平太、この本か?」
小「えーと、それは違う。同じ組の奴から借りた本だ」
仙「そうか」
文「おい、小平太。こんなガラクタいらねぇだろ。作業の邪魔だ捨てんぞ」
小「駄目ー‼︎これは山から採取してきた蝉の抜け殻集!」
文次郎君が大きな箱の中から取り出した蝉の抜け殻箱をまた、部屋に戻そうと文次郎君と引っ張り合いをしている小平太君は、母親に叱られている子供にしか見えない。
空『小平太君、それぐらいに…。………長次君が怒ってる…』
(小平太君、それぐらいにしないと。君の背後にいる長次君が怒っているのですが;)
小「え?…ッアタァァー⁉︎」
長「…ウヘヘヘ!」
(いい加減にしろ小平太)
仙「言うのが一歩、遅かったな」
文「そうだな」
脳天を長次君にチョップされた小平太君を尻目に私達は作業に戻る。
もう此処まで話が進めば分かって頂けてると思いますが、私達は現在、小平太君と長次君の部屋を片付けている最中です。
事の発端(ほったん)を仙蔵君が教えてくれたのですが。
なんでも、長次君が口を酸っぱくして片付けろと毎日、小平太君に言っているのにも関わらず一向に片付けないから皆で掃除している訳ではなく…。
小平太君が図書室で借りた本。題名を"ガンガン行くぜ攻撃百種〜全て覚えたら君も獣に‼︎〜"、というのを一週間も返却しなかったそうだ。
挙句の果てに、"この部屋の何処かにあるから探すの手伝って"と、笑ながら言われた長次君の堪忍袋が切れ、今の状況に陥っております。
空(長次君の怒るのも無理はありませんね。
この部屋、BeforeとAfterが一つで済んですから;)
半分が綺麗で半分が汚部屋になっている部屋を丁度、真ん中の位置で確認する。
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