激安☆現実味

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[川西 左近side]

女性A「お兄さん、こっちに注文お願いね///」

くノタマD「せんぱーい‼︎こっち向いて〜///」

女性B「すみません、お兄さん。お茶のお代わり下さいな///」

川「灰色先輩。あそこのお姉さんが呼んでます;」

諸「空ちゃーん、これ持ってってー」

くノタマE「こっちに来たよ///」

くノタマF「やっぱり灰色様は良いわね///」


善法寺保健委員長達が雑渡さんと何処かへ行った後、灰色先輩を目当てに多くのお客さんがどっと駆け込んできた。
灰色先輩とお客さん達の注文を聞いたり、品物を出したりと忙(せわ)しなかったが、一息つきそうな所で僕と先輩は裏方へと引っ込んで行く。


空『はぁ……;』

川「先輩、お疲れ様です」


やはり、学園一最恐と謳われている灰色先輩でも男装している先輩を見て興奮しているお客さんに対してはついて行けないのだろう。
お疲れ様ですの意味も込めて僕は灰色先輩にお茶を手渡した。


空『有難う…川西君。
君は疲れていませんか?』


男装と言う名の変装をしているせいなのか、今日の先輩は表情が読み易い。
今だって、僕を気遣うような素振りを見せてくれる。


川「灰色先輩と比べたら別に僕は疲れてませんよ」


あの獲物を狙うようなギラギラとした目をする女性客相手に毅然とした対応やら奉仕する灰色先輩に比べたら僕の方なんて簡単な作業ばかりだ。
湯呑みが無くなったお盆を上下に動かし、平然とした顔で先輩の隣に座らせてもらった。

川(一般の女性客ならまだしも、男装って事をわかりながら灰色先輩の事を興奮気味で呼ぶ、くノタマの意味がわからないんだよな)

女の子達の不思議な行動に眉を寄せながら一考を要してみたが、僕の頭では理解しかねた。


女C「すいませーん」

川・空『「はーい」』


高い声からして女性客だろう。
やっと休憩が出来たと思ったら直ぐこれだ。
あの忙しさの中に戻るのかと少し気を落としつつも、灰色先輩と二人で"お互い頑張ろう"と目で会話してからお客さんの待っている表に出た。

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