激安☆現実味

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[空side]

前回に引き続き私はタソガレドキ忍者隊の皆さんを案内しようと甘味処のある場所へ向かっていた。


空『…、タソガレドキ城のお殿様………はいらっしゃらなかったのですね』
(そういえば、タソガレドキ城のお殿様であられる黄昏甚兵衛様はいらっしゃらなかったのですね)


話し掛ける為、歩く速度を落としながら後ろを振り向くと雑渡さんと山本さん以外は目を見開き驚いた様な顔をしていた。

空(え?な、なんでしょう;?
私、何か不味い事でも言いましたか;?)

話の魚を間違えてしまったかと不安になり、雑渡さんと山本さんの顔を三度見していた。


諸「え?あの招待状って組頭と小頭の分じゃないの?」

空『…いえ。雑渡さんと黄昏甚兵衛様に宛てて……発送しました』
(いいえ。雑渡さんと黄昏甚兵衛様に宛てて小松田さんが発送しました)


小松田さんよりも小松田さんのお兄さんの方が送った宛先を覚えていたという可笑しな取り調べを思い出しながら諸泉さんに返事をした。


高「組頭、ちゃんと殿には…」

雑「ん〜?ふふふ…」


心配そうな顔する高坂さんを余所に雑渡さんは悪巧みをした子供のように目を曲がらせた。


陣「組頭…。
殿には連絡してませんね」

諸「ほえぇっ!?
大丈夫ですか?そんな事して…」

高「うちの殿は、ここの学園長以上に命を狙われているからな。こんな所に来たらエライ事になる。
評判悪いし…」


敢えて殿と付け加えなかった高坂さんは難しい顔をして諸泉さんに答えていた。多分だけど黄昏甚兵衛様を暗殺する者を払うのに何時も苦労しているのだろう。
私は口を挟まず山本さん達の会話を聞き流しながら聞いていた。


雑「まぁ、本日は武器を持たず財布を持て。文化祭を楽しもう」

諸「組頭、話をへし曲げましたね」

高「尊奈門、こういう時は黙っとくのが利口だぞ」

陣「すまないね空ちゃん。放ったらかしにしてしまって…」

空『いえ…。元々から話すのは苦手…ですし、私の事は………構わず話して下さい」
(いえいえ。元々から話すのが苦手な人間ですし、私の事は空気か物体Xかと思って構わず話して下さい)


雑渡さんの後を歩いていた山本さんに振り向きざま話すと、少し考える仕草をした後、高坂さんと話している諸泉さんを見た。


陣「これが空気を読むって事だぞ尊奈門」

諸「へッ!?」

高「ぷッ…」


いきなり話し掛けられた諸泉さんは何の事だか解らないのか山本さんの顔を見て瞬きさせていた。

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