激安☆現実味

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[空side]

前に引き続き、私達は仙蔵君と文次郎君の部屋に行く為、大人数で移動中です。


猪「中在家先輩。」

長「・・・なんだ、乱太郎?」

猪「何で中在家先輩のお部屋ではなく、立花先輩達のお部屋何ですかぁ?」


最終列に並んで着いていく私達、情報委員会にも聞こえるようにしてくれているのか、長次君の声が普段より大きく聞こえる。


長「体育委員会が・・・。
模擬店で売る用の小平太パペットとギニョールを大量に作っていて・・・狭い・・・。」


自室にある大量の小平太パペットを思い出したのだろう。仕事終わりのサラリーマンみたいに長次君の肩が下がった。
そんな彼に「お疲れ様でした」の一言を言ってあげたい。

空(私の中の想像だけれども、小平太君がギニョールを高らかに上げている姿が見えます;
・・・あ、それにシロ君の眉毛が下がって困ってる。金吾君なんて魂が出ちゃってますし、平君は泣き言を言ってますが綺麗に仕上げてますね。器用だなぁ。
あれ?次屋君は何処でしょう?また、迷子ですかね?)

ウヘヘと体育委員会の想像をしていると、私の前に歩いていた留三郎君が話しかけてきた。


留「空、体育委員会がなんの模擬店をするのが解って良かったな。
あとは、図書と作法と生物と火薬とクソ文次郎が委員長している会計だけだか。
ああ!火薬は田楽豆腐屋と言っていたな。」


私達の心配してくれているのは有難いが、仲が悪くともクソは駄目じゃないですか?と、言いたい。けど、仲が悪いと自(みずか)ら宣言している留三郎君の事だから聞きつつも右から左へ流れてしまうだろうな。


空『そう・・・ね。』
(そうですね。)


留三郎君には申し訳ないが生半可な返事をしていると、彼は思い出した様に短く声を上げた。


留「そうそう、ギニョールってのは手袋式片手使い人形の事を言うんだぜ。
違いは、口が開いてるのがパペット、開かないのがギニョールだと思ってくれていい。」

空『・・・・・・・・・留三郎君・・・。・・・・・・・・・説明、ありがとう・・・。』
(えッ!!?いきなり説明しだしましたけど、留三郎君どうかなさいました!?あ、でも分かり易い説明、ありがとうございます。)

留「いや、好きでやってるからいいさ。それにこれが俺の仕事だからな。」


ニコッと擬態語が付きそうな爽やか笑顔を振りまくのは良いんですが、背景にアヒルさんボートの顔が浮かんで見えるのは何故だろう?不思議です。

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