激安☆現実味

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コテンと、首を傾げながら私なんかの心配をしてくれる青葉さんに続いて、三治郎君も野うさぎを持つと言ってくれた。こんな優しい子達に恵まれて私は幸せ者なんだと思います。

空(でも、慣れてない人だと、野うさぎに負担をかけてしまいますし;青葉さん達の気持ちも嬉しいですし;あぁ、どうしよう(汗))

頭の中で迷っていると、水を汲んで来ると言っていた数馬君が戻ってきた。


三「灰色先輩、調子はどうですか?水でも飲んで休んで下さい・・・って、青葉先輩と三治郎は何やってんの;?」


竹の水筒を持ったまま立ち尽くす数馬君は、青葉さんと三治郎君が私に詰め寄っていた事の感想(?)を言った。


青「何よ。見てわからないの?
空お姉様が疲れておられるだろうから私が代わりに、お姉様の膝の上をずんどってる生意気な兎を持ちましょうかと、言っていたところよ。」

夢「そうそう。そして兎の代わりに僕が灰色先輩の膝の上に乗ろうとしていたところですよ。」


青葉さんと三治郎君は、先ほどまでの状況を数馬君に丁寧に伝えた。

空(あれれ;?幻聴ですかね;?野うさぎに対して青葉さんの言葉が一部乱れたような;
いや、優しくてしっかり者の青葉さんがそんな事を言うはずないですよね!!
えぇ、そうですよ!今だって聞こえる「夢前、調子にのんじゃねぇぞ。お姉様の膝は聖地だ。誰にも座らせねぇよ?」何て事を言ってるのだって空耳ですよ(泣)
ほら。だって、笑顔が輝いて見えるほど可愛い三治郎君が「ハッ(嘲)青葉先輩の事なんて知ったこっちゃないですよ(笑)要は灰色先輩が良いって言えば良いに決まってるじゃないですか?そんな事も理解できなくなる程、頭が衰退したんですね。ご愁傷様です★」なんて、聞こえるハズナイナイ。)

二人の言い合いを数馬君とぎこちない表情をして眺めていると、数馬君が小さく声を掛けてきた。


三「・・・コソ。」
(先輩、僕が野うさぎを持ってるんで、その合間に息抜きでもしてきて下さい。あの二人ならほっといても大丈夫だろうですし。僕が見てますから。)


この修羅場の中で天使のような笑顔を見せる数馬君に癒される。

空(天使って、聖☆お○さんの天使達みたいにハイテンションな方だと思ってましたが、数馬君の方が正解に近い感じですよね(泣))

数馬君からの甘い言葉に、揺らいでた気持ちの天秤はガタンと下がった。
私は彼に野うさぎを任せ、そのままこっそりとこの場から逃げ出す。

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