激安☆現実味
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[乱太郎side]
外から潮江先輩達に引き上げてもらい、やっと落とし穴からから脱出できた私達は背伸びをして体を解(ぼぐ)していた。
猪(尾浜先輩の話からだと、学園長先生も無事に守れたとの事だし、一件落着〜)
…と、一安心していた私の目の前では灰色先輩と川西先輩が花房牧之助を揺すっていた。
空『…、起きて…。…食事代の清算……』
花「…」
潮江先輩に気絶するほど殴られた牧之助は全然、起きる気配がない。灰色先輩が無言のまま牧之助を見つめると、痺れを切らしたの彼の顔を強く叩く。
空『…』
花「ぐぅハッ⁉︎」
川「ひぃ⁉︎」
川西先輩の声からして結構、強く叩いたのがお分かりいただけたでしょうか?
私も灰色先輩達の事を眺めていた1年は組の皆と共に怯える。
空『……清算を済まされてません。…食べた…から払う…人としてしなくてはいけない行為…』
花「いや…でも…;」
灰色先輩の男装姿と男声を意識しているせいか、普段の無表情よりも更に恐しい。
そんな先輩に威圧に恐れをなした牧之助は歯切れの悪くさせる。
猪(牧之助のことだから、手持ちのお金もない事もあるんだろうけど、あの灰色先輩の顔はお金が合ったとしても怖いよね;)
牧之助の答えに対し、接待用の顔を無くした灰色先輩は普段同様。無表情の顔に変わる。
空『知ってます……?
あるところで食い逃げした者は死罪か拷問行き……だそうですよ』
花「ひぃッ⁉︎ま、まさか、お前‼︎
この俺を拷問するつもりか⁉︎」
川「せ、せんぱぱぱい⁉︎」
猪「空先輩⁉︎何を怖いことをおっしゃっているんですか⁉︎」
き「牧之助もとうとう終わりか…」
龍「まぁ、食い逃げした奴が悪いんだしいいんじゃないの?」
文「おいおい;」
ぶっ飛んでる灰色先輩の言葉に先輩の家族である龍丸と商売ごとに五月蝿いきり丸以外は目を丸めて驚いた。
牧之助なんて顔から血の気が引いて真っ青になってる。
空『冗談です…。…、その代わり幸運食堂のお手伝いで支払って……』
喜「良かった〜。冗談だって」
し「良かったね〜。僕、こわくて少しだけチビっちゃったよ」
あははと、笑い合う喜三太としんべヱに対して私は思う。
猪(あの顔は決して冗談を言う顔じゃなかったと思うよ;)
眼鏡を曇らせて目を逸らしていると、灰色先輩の一言に安心した牧之助に覇気が戻ってきた。
花「ふぅ〜;冗談かよ;
まぁ、拷問や死罪に比べてら軽い軽い」
ぬわっはははと、笑う牧之助に懲りていないと感じたのか灰色先輩は再び無表情のまま牧之助と正面に顔を合わせる。
空『…花房さん』
花「なんだ?」
空『逃げないで…ね』
最後の"ね"のところで灰色先輩の目が狙いを定めた狐のように見えた。
猪(な、なんだろう;
灰色先輩が仰っている事は普通なんだけど、ここの一帯が急激に寒くなった気がする;)
変な寒気を感じたのは私以外でもいるようで皆、腕を速く撫でて摩擦を起こしたり、二人で抱きついている子もいた。
潮江先輩達もなんだか青ざめた顔をしている気がする。
そんな空間の中で灰色先輩ただ一人は幸運食堂へと踵を返していた。
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き(俺、これからは灰色先輩に何か言う前によく考えるようにするよ;)
龍(そうしときなよ。
空姉様、なにでああなるか家族である僕でさえ分からない時があるから)
文(俺も気を付ける事にしよう;)
小(空ちゃん、こわ〜い;)
留(しッ!聞こえんぞッ!!)
仙(空の勇姿が見えなかったとは…。立花仙蔵、一生の不覚;)
長(…モソ)
(出番なかった…)
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