激安☆現実味
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鉢「ああ、灰色先輩もお構いなく座って下さい。粗茶も出ませんが。」
文「おいッ!鉢屋、舐めとんのかッ!!」
真面目な時は真面目な奴なんだが、こういう行事になると調子にノリ易い鉢屋。それに対して真面目にも近い文次郎は、いつもよりも増して恐い顔をしていた。
鉢「いやだな〜潮江先輩。冗談ですよ。
そんなに真面目ですと疲れちゃいますよ?」
文「うるせぇ!
つか、空に用事ってなんだよ。」
苛々してるともっと顔が老けるぞと文次郎の隣にいる仙蔵の呟く声が聞こえ、全く持ってその通りだと仙蔵に拍手を送ってやりたい。
鉢「あ、そうでした。
灰色先輩、学園長先生からの伝言で情報委員会は、学級委員会と共に招待された人の受付や迷った人や迷子などをしてくれ、との事付(ことづ)けです。」
情報委員会『「え!?」』
学園長先生からの事付けの話を聞いていた情報委員会の面々は驚いた様な声をあげた。珍しく空までもが声を上げていた。
空『待って・・・。じゃあ、私達は模擬店を出店させなくていいの・・・・?』
鉢「まぁ、そういう事になりますね。」
3年「えー。せっかく、楽しもうとしてなのにー。」
ゲ「ちょっと、ガッカリしたでしゅ。」
2年「先輩とおシゲ、しょうがないですよ。学園長先生からのお達しなんですから。」
空もだが情報委員全員がつまらなそうな顔をする。
3年の子なんて解りやすく、座りながら頭を床に着けていた。
留(初めての文化祭だからな。楽しみにしていない奴なんて少ねぇだろう。
そりゃあ、俺だって文化祭は楽しみにしているし、模擬店の話をしている時だって楽しかった。
その楽しみが一つ減るんだ落ち込まない訳がない。)
落ち込んでいる情報委員会に同情のしていると、後輩達の気持ちを切り替えようと声をかける空の姿が見えた。
空『・・祭とか行事・・は楽しい・・・からね。
でも、学園長先生からのお達し・・、言われた通り・・・事を・・しよう。』
全情報委員「はい。」
情報委員の面々は勿論の事、空との会話なら何時もの元気のある青葉だって気のない返事をする。
留(学園長先生のおっしゃった事だし、こればかりはしょうがねぇな。)
冷たい様に聞こえるが、お達しは絶対だ。励ましの言葉を後でかけようと思った。
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留(おい、大丈夫か?)
空(ん・・・・・・。・・・・鉢屋君に話をよく聞いてくる・・・・・・・・ね。)
伊(留三郎。空ちゃん、少し元気なかったね。)
留(そりゃあな。でも、大事な作業にはかわりない。)
仙(そうだぞ伊作。反対に我々は学級と情報に感謝しないとな。)
伊(そうなんだけどね。)
長(私達もそろそろ準備を始めるぞ。
文化祭は明日なんだからな。)
留・伊・仙(ああ(おう))
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