激安☆現実味

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[時友 四郎兵衛Side]

四(・・・ッん・・・あれ?
なんで僕、木陰に居るんだろう?
確か、体力作りの為に裏山を走ってたら限界を越えちゃって倒れちゃったはずなんだけど・・・?)

右左へ視線を変えて辺りを見回すと6年生の証(あかし)である深緑色の忍者装が折りたたんであった。きっと、僕の首に巻き付けてある濡れた手ぬぐいの持ち主の物だろう。

四(でも、なんで僕の首に濡れた手ぬぐいと上級生の上着があるんだ?)

疲れ果てて倒れた後の記憶が全くない。腕を組みつつ頭を悩ませる。

四(もしかして、七松先輩が看病してくれたのかな?
・・・でも、七松先輩の事だから僕を背中におぶってでも「いけいけどんどーん!!」て、言ってマラソンの続きをさせそう;)

良くしてもらっていると思うが如何(いかん)せん暴君気質があるので七松先輩ではないと考えつく。では、七松先輩以外の6年生の先輩達で考えてみる。

四(一番に考えつくのは、6年は組の善法寺先輩と食満先輩かな?
善法寺先輩は凄く優しいし、食満先輩はお菓子いっぱいくれるし・・・あッ!!優しいと言えば中在家先輩もいるなぁ。
前に図書室で手が届かなかった本を取ってもらったよなぁ)

先輩達の事を思い出していたら、だんだん眠気が襲ってきた。まだ、疲れがとれていないんだと、眠気まなこを摩っていたら、いつの間にか寝むっていた。



〜〜〜



四(・・・ぅん?
今、僕の首に誰か触った?)

誰かに首を触(ふれ)られた感触がしてので寝ぼけ眼を無理矢理、かっぴらき、目の前に居た人物を見ると・・・。















"学園一無敵"と噂されている情報委員会委員長の灰色空先輩いた。←(ウソォー;!?なんでぇ!?どうしてこんな所に灰色先輩がいるの!?)
灰色先輩の恐さは噂で聞く程度だったが、それを実際に体験したのは前に開かれた予算会議での出来事だった。
僕達だけでは止められそうにもない6年生の先輩達を睨み一つで抑えつけてしまった怖い先輩だ。

四(あの時、僕も体育委員会で参加してたんだけど、灰色先輩の威圧で腰を抜かしちゃったんだよね;
しかも、おしっこを少しチビッちゃったし(泣))

予算会議の事を思い出しただけでも少しだけ寒気がした。
そんな怖い灰色先輩の顔を覗き見する。普段通りの無表情である故に怒っているかどうかも解らないので取り合えず…。


空『・・・大丈b「ごめんなさーーーい。どうか睨まないで下さい(泣)」・・・』


灰色先輩に向かって土下座をしてみる。←(睨まれてる感があったんでつい;)
謝ったのは良いものの、先輩が何の反応を示してくれないので困る。

四(ど、どうしよう;先輩、無言だよ;)

キツく閉じた目を薄く開いて灰色先輩の顔を上げると不機嫌にさせてしまったのか、先輩の眉間には皺(しわ)が寄っていた。
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