激安☆現実味
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灰色が振り返ったのを確認した伊作は俺に話しかけてきた。
いつもより迫力のある伊作にビビってしまう。
伊「留三郎。
僕は、灰色さんに虐めらてなんかいないよ。むしろその反対、助けて貰ったんだ・・・。
それなのに留三郎は誤解して灰色さんに殴り掛かったんだよ」
留「オイ!!本当かよ?」
くノタマが忍タマを助ける事が信じられず、灰色に真実かどうかを確認すると灰色は黙ったまま、こちらを見つめていた。
留(目は嘘ついてねぇし、この雰囲気だ。黙りは肯定だろう。
じゃあ、俺は何もしてないくノタマを勘違いで殴ろうとしたのか;?
お、俺はなんて事をしたんだ・・・)
自分自信が軽率な行動をしてしまったと沈んでいると、怒りの沸点を達したのか目の中を涙でいっぱいにした伊作は泣いていた。
伊「留三郎は僕の話しを・・・ウッ・・ヒッグ・・聞かないし・・・ッゥウ・・止まらないし。」
留「い、伊作;!?」
伊作が泣いてしまった事に慌ててしまう。伊作が泣いていると俺まで泣きそうになるが男は我慢という信念もあるので泣かないよう我慢する。
そんな俺達から離れていた灰色は、いつの間にか近づいて来ていて伊作に手拭いを渡していた。
空『私は平気。・・・怪我も・・・ない。
・・・二人とも泣かないで』
同い年の筈なのに大人っぽい対応する灰色は、俺達の頭を優しい手つきで撫で付けてから眩しいほどの綺麗な笑顔を向けてくれた。
そんな、灰色に俺は殴ろうと襲い掛かっていたんだなと、自分の非に対しての反省しだす。
留(俺は、お前を殴ろうとしていたし、伊作は伊作で俺の間違いを必死に止めようとしてくれてたのに俺は・・・)
留「ごめんな、お前と伊作・・・。
俺・・・ッウ・・勝手に勘違いして、・・・ヒッグ・・・二人に迷惑かけた・・・ゥウ・・本当にゴメン」
伊「留三郎・・・ぅうん。
僕こそ・・ウゥ・・・止められなくて・・・ッヒグ・・・本当にゴメンね・・」
しんみりとしている空気の中で俺達を眺めていた灰色がいきなり話しだす。
空『私は許さない・・・』
留「えっ!?」
灰色の重い言葉に愕然(がくぜん)としてしまう。
留(やっぱり、許してもらえないよな。そのくらい俺は酷い事をコイツにしたし、ましてや女なのに顔面を殴ろうとしたし・・・)
やってしまった事を元に戻す事ができるわけもないく、だんだん落ち込んでゆく。
伊「灰色さん酷いじゃないか!!」
灰色から俺への言葉に対して
、珍しく怒りをあらわにした伊作は食いかかる。
留(しょうがねぇよ伊作。俺がいけない事しちまったんだから・・・)
悲壮感になりながらまた、泣きたくなり目頭が熱くなる。多分、次はもっと酷く言われるんだろうと思う。
空『だって・・・、私の名前呼んで謝ってない・・』
灰色は至って真面目な面持ちで俺に指を差し、次に自身を指す。
留(・・・はっ;?
確かに、俺は灰色の事をテメェやらコイツやらとだけしか呼んでいなかったけど;
たった、それだけで殴った事とかを許そうとしてくれてんのか?)
疑問に思いながら灰色を見つめるが、目が本気(マジ)だ。
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