激安☆現実味

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俺は、伊作の肩に手を置いて灰色を睨んでいると奴は、顔を伏せ小刻みに震えて嘲笑っていた。


留・伊「!?」


無表情、無関心といわれてる灰色が笑える事に驚いたが、それよりも灰色の笑っている理由が自分に対してだと段々わかってくると怒りが込み上げてきた。

留(コイツ・・・、俺が必死になって伊作と話しているのが面白くて笑っているんだな?
・・・マジで殺す!!)


留「なッ!?何が可笑しい!!」


灰色をまた、殴ろうとして殴りかかる俺と、喧嘩が嫌いな伊作が止めに入ろうとするが遅い。


伊「止めてよ!留三郎!!」


いつの間にか灰色は笑いを止めていた。やる気になったんだろう。いつもの気にくわない無表情の顔に戻った。←(ヤッたろうじゃんか!)

女だからとか知ったことじゃない精神で、顔を殴ろうとするも先程と同じく軽々と避けられ、その反対に攻撃していた俺が灰色に攻撃された。

留(動きが早くて見れない?アイツ何者なんだよ;)

頬を叩(はた)かれ、飛ばされた事に驚いている間に伊作は俺を助ける為なのか近寄ってきた。
伊作の後から、灰色も俺の方へ近づいてくるが伊作に止められる。


伊「灰色さん・・・」

空『大丈夫・・・。・・・話をするだけ・・・』


留(コイツまさか・・・。俺の息の根を止めるつもりか!?)

顔が真っ青になって慌てるが、一瞬だけ優しい顔つきになった灰色を見て落ち着いた。
でも、灰色は直ぐにいつもの調子に戻り、正座をして話しかけてきた。


空『叩いて・・・ごめんなさい。私は貴方の言う通り、嫌な奴・・・です。
ですが、文次郎君は大事な友達。だから、・・・そんな事を言わないでくれ・・・』


そう言った後の灰色は悲しそうに顔を歪めていた。


留・伊「・・・ッ」


留(なんて、顔をしやがる。これじゃあ、文句も何も言えねぇじゃねぇかよ‼︎
それに、今の言葉を聞くと自分の悪口よりも友達の文次郎の悪口に怒ってやがるし・・・。何なんだよコイツ。くノタマのくせに訳わからん)

灰色の儚げな顔に少しだけ魅ぼれte・・・、(違うちがーう///呆れていたんだよ!)
頭の中で賛否両論を繰り広げている俺に対して灰色は貝殻の薬容れを渡してくる。

留(なんだこれ?)

渡された物に疑問が浮かんでんのがわかったのか、灰色は薬容れの説明をする。


空『それは、腫れ引き用の軟膏。私が作った薬で・・・私自身で実験した。
だから、安心して・・・』


そう言うと、集合場所に向けて歩き出し始める灰色。
嫌いな奴に優しい事をされた事に驚いて、お礼を言うタイミングを逃してしまった。

留(・・・アッ!お、お礼。
でもなぁ、お礼を言うのもなんかなぁ)

俺の信念が邪魔をして礼を言おうか、言うまいか迷っている決まりの悪い俺に気づいてくれたのか、伊作が灰色を呼び止めてくれた。


伊「ちょっと、待って灰色さん!!」
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