激安☆現実味

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[食満 留三郎Side]

忍タマ1「留、めーーっけ!!」

留「ぁ〜あ;見つかったか;」


1年は組は、授業の一環としてかくれんぼをしている。
最初は、「かくれんぼかよ;」と伊作にぼやいていたが、これが意外に楽しい。


留「なぁ?あとは誰が見つかってないんだ?」

忍タマ1「見つかってない奴は確か・・・ぁあ!灰色 空さんだけだよ。
ほら、くノタマなのに優秀だからって理由で忍タマと実技を一緒に受けている」


灰色 空という名前に反応し、キツい顔が更に厳つくなる俺に対し、人柄の良い笑顔を向けるコイツは自分の言った言葉に後悔していたようだ。
発育のいい麦色の肌に少しづつだが、青色が出てきている事からそれを物語ってる。

留(称する程だが俺は、大のくノタマ嫌いだ。
あの鬼女共は、学園に慣れていない俺達をとことん意地悪するし、俺の友達である善法寺 伊作に毒入り団子を食わせたし(※無理矢理)、あっちから呼び出して来たっていうのに池に落とされたり、その他諸々のヒドイ事ばかりをされるからだ!!)

くノタマ達の事を思い出したら沸々と腹が立ってくるのと同時に、懲らしめてやりたいという怒りからか、握り拳を作らせていた。

留(しかも、灰色空は俺の大嫌いな文次郎と仲が良いしな。あんな頑固頭で人をバカにする奴の友達だ相当な嫌な奴に違いないだろうな)

俺の不機嫌な空気に気付いたのか、自身に被害が来ないように足を後ろに踏み込む。


忍タマ1「じゃ、じゃあ俺は灰色さんを鬼総出で捜してくるな;
アッ!伊作の事なんだけど、まだ集合場所に居ないんだと。だから、もし見つけたら連れて来てくれよ。よろしくな〜!!」


小さく手を振って用件を言い残した奴は、灰色を捜しに向かった。最後ら辺から目をそらしてんのがもろばれだぜ。

留(それにしても、伊作の奴;また、不運が出たか・・・;
こうしてはいられねぇ;速く伊作を見つけなきゃな)



〜〜〜



森の中を駆け巡り、伊作を捜していると微かにだが、誰かが泣いているような声が聞こえた。
もしかしたら伊作かも知れない(※あいつ泣き虫だし)と、泣き声が聞こえる方へ行ってみる。
すると、そこには捜していた伊作(※座って泣いている)と大っっっ嫌いな灰色(※立って泣いてない)がいた。

留(あの女、伊作をイジメやがったな(怒)これだから、くノタマは嫌いなんだ)

友達が泣かせられた事で静まっていたくノタマに対しての怒りが、また沸々と沸(わ)いてきた。その感情を鬼女(※灰色)の頭に目掛けて投げた。



シュッ・・・カッ!!



背後から投げたのに、やすやすと手裏剣を避けられてムカつく。それに、振り返って無言で俺を睨んでくる事もムカつく。←(ムカつくムカつくムカつくー!!)
伊作は手裏剣を投げてきた俺に驚いたのか、仰天した顔で見ていた。


留「テメェ・・・。伊作を虐めたな!?・・・許さねぇ!!」


まずは、灰色と伊作の距離を離す為に走りながら殴る。
・・・が、この女はヒラッと俺の拳を避けて伊作から離れた。


留「伊作、大丈夫か!?
帰りが遅くて捜しに来たんだが・・・。泣く程まで酷い目にあっていたんだな・・・」

伊「い、いや、留三郎これには、訳が有って・・・」


灰色と俺を交互に見ながら酷い事をされても尚、灰色を庇うとする伊作に感動すら覚える。

留(伊作は優しい奴だから、あんな嫌なヤツでも庇ってやっているんだな)


留「いや、言うな。俺には分かる。
アイツが虐めたんだろ?そうだろ?
文次郎なんかと付き合ってるくノタマだから相当、嫌な奴に違いない!!」
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