激安☆現実味
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そんな僕らに灰色さんは、近づき手拭いを僕に渡してきた。
空『私は平気。・・・怪我も・・・ない。
・・・二人とも泣かないで』
そういうと、意識はしていないのだろうが困った顔で綺麗な微笑みをする灰色さん。
留「お前と伊作、ごめん。
俺・・・ッウ・・勝手に勘違いして・・・ヒッグ・・・二人に迷惑かけた・・・ゥウ・・本当にゴメン」
自分のした事に反省をしたのか、留三郎は僕と灰色さん対して謝る。
伊(でも、僕がいつも留三郎に助けて貰う事が多いから、今日みたいな事が起きてしまったんだよね)
くノタマ達に弄られたり、自分の不注意で罠に掛かったりする毎日を思い出す。
伊「ううん。
僕こそ・・ウゥ・・・止められなくて・・・ッヒグ・・・本当にゴメンね」
僕と留三郎は仲直りの意味を込めて手を握っていると、僕達を眺めていた灰色さんは何を思ったか動きだした。
空『私は許さない・・・』
留「えっ⁉︎」
伊「灰色さん、酷いじゃないか!!」
灰色さんの一言に幻滅した僕は彼女を睨みつけるが、そんな僕には臆する事もなく、少し口をムッとさせて呟く。
空『だって・・・、私の名前呼んで謝ってない・・』
灰色さんは留三郎の方に指を指し、次に自身を指す。
その可愛らしい仕草にキュンとしてしまった。←(だって可愛かったんだもん///)
空『改めて・・・、灰色 空・・・。宜しく・・・』
そんな僕に、お構いなしな灰色さんは、綺麗な礼儀作法をやりのける。
それを見ていた僕達の刻(とき)が止まったような気がしたが、気を取り戻して返事をする留三郎。
留「あッ///
お、俺の名前は、食満 留三郎って言うんだ///
さっきは、本当にすまなかったな。食満でも留三郎でもなんでも呼んでくれ」
伊(ちょッ、留三郎!!
密かに名前呼び入れるのずるいよ!!)
留三郎は自己紹介をした後、灰色さんを直視したからなのかそっぽを向いていた。←(綺麗な顔だし、直視するとこっちが恥ずかしくなるよね)
伊「コラッ;
ゴメンね灰色さん。
素っ気ない留三郎だけど本当は、素直で良い奴なんだよ。本当だよ;」
留「伊作、お前は俺の母さんか;」
不躾な留三郎を叱ったら、留三郎はふざけた事を言い呆れていた。←(留三郎のバカー!)
空『かまわない・・・伊作君。
私の事も空でいい。伊作君も・・・呼んで』
心優しい空(さん?ちゃん?どっちかな?)は僕の気持ちも汲み取ってくれたのか、僕も名前呼びで良いと言ってくれた。
伊(しかも、微笑んでだよ!
今日の僕は人生の運を使い果たしたね!!)
興奮した僕は感極まって顔が赤くなる。
伊「う、うん。わかったよ///」
留「りょ、りょーかい///」
この後、ヘムヘムによる授業終了の鐘がなったので僕達三人は、一緒に先生の元へ帰って行った。
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