激安☆現実味
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誰も声を出さずに女の人と見つめ合う俺達。
留(なんだ、この人。ちょっと怖いんだが;)
女性と距離を取ろうとする俺達に対して、怖い者知らずなのか、空は女性に声を掛けていた。
空『こんにちは』
?「こ、こんにちは〜;」
空『いいお天気ですね』
?「ええ、そ、そうね;暑くもなく寒くもないよね;」
気味の悪い女性と平然と話している空は心から凄い思う。
しかも、警戒心を持たれないように優しい口調で話している。
くノ一の技を目(ま)の当たりにする俺達は尊敬した眼差しで空と女性の会話を眺めていた。
空『…写生日和ですよね。お姉さんは私達を写生していたようですが…』
上手く写生をしていた理由を聞けれる良い流れの会話だと思う。
安心して空に任せていると、女の人が小刻みに震え始めた。
?「あ、あ、あああああああああ///」
空『!?』
急に叫んだかと思えば、膝から崩れ落ちて地面に頭突きし始めた女性に驚いた俺は、顔を引きづらせてしまう。
留(この人、相当ヤバそうだ…;
取り敢えず、皆で一旦避難してから、あの人をどうするか考えるしかないな;)
頭を打ち錯乱し続けている女性を注意しながら、俺は伊作や仙蔵達に声を掛けまわる。
次は、ろ組の二人と空へ耳打ちをしようとする前に小平太が女性へ近づいて行く姿が見えた。
空『小平太君?』
小「空ちゃん、私に任せて!」
待てと、止めようする前に小平太は女性の元に着いてしまった。
留(こうなりゃ、あの人がまた少しでも不審な行動したら直ぐにでも抑えつけるか。
忍タマ(+くのタマ)が六人もいるんだ。足の速い奴が小平太を助けに行くだろう)
足首を軽く回して走る準備を静かに行う。
そして、小平太が女の人の肩に触れた。
小「おねーさん、ごめんね♪うらぁッ!!!
?「あああああウッ………」
準備は万端だと張り切る前に、小平太が叫んでいる女の人にガンッと頭を打ち付け、気絶をさせてしまった。
空・長・伊「…」
小「ふぅ。これでもう安心だな!」
仙・文・留「どこがだ!??」