激安☆現実味

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ト「さて、お次は花形の女性服でーす!
品のある真紅の赤いドレスと桃色のドレスに女性らしいくびれのラインを強調し、手袋と孔雀の羽根を付けた帽子を身につけた最先端の服となっております。」


空(ひぃ〜(泣)人様の視線が痛いです(泣))

直ぐにでも森の中を駆け巡り、これは夢なんだ幻なんだと思いたい。

空(うわわ;しかも、スカートの丈が長いなぁ;本当に数馬君がいてくれて良かった;一人で歩いていたら転ぶの間違いなしですね。)

手を繋いでくれている数馬君に身を全て任せ、あともうすぐで川向こうに着く。

空(よしよーし!あと、三歩、二歩、一歩・・・よしゃああああああああああ!!!着いたーーー!!
さぁ、ここから目的地にGO!!!・・・って、行けなーい!?)

エスコートしてくれていた数馬君と青葉さんのエスコートをした三治郎君は、川向こうに着いたのに走らない私達に疑問をもったのか首を傾げて聞いてきた。


夢「青葉先輩、どうしたんですか?速く行きましょー?」

数「空先輩もどうしたんですか?」

青「あは;あははは;
どーしましょうお姉様;」

空『・・・・・諦めるしかない・・・・;・・・・・・・・着なければ良かった・・・・・;」
どうもこうも、これは諦めるしかないですよ;こうなるなら最初から着なければ良かったんじゃないですかね;』


私がスカートの丈を持ち上げると、三治郎君や数馬君は気づいてくれたのだろう、あ!!という顔をした。
そう、皆さんお察しのように丈が長過ぎて走れないのだ。しかも、ヒールという靴付きで足をグギリといってしまう程の高さだ。走れと言う方が馬鹿だろう。


青「あー;私の馬鹿ぁ〜;
甘い誘惑に誘われて目の前の事を疎かにしてしまいました〜;お姉様、ごめんなさーい;」

空『私・・・よりもオリエンテーリングの相棒に謝ろう・・・。
ごめん・・・・数馬君。』
(私なんかよりもオリエンテーリングの相棒に謝ろうね青葉さん。
ごめんなさい、数馬君;)

青「はぃ・・;ごめんなさい三治郎。」

数「そんな、謝らないで下さいよ;僕がここまで来れたのだって先輩のお蔭なんですからね。」

夢「そーですよ。楽しかったですよ僕。
あとで、あれ下さいね(笑)」

青「あたぼーよ。」


謝罪を述べる私達に心優しい二人は笑顔で許してくれた。
でも、三治郎君と青葉さんのアレが解らないが仲良くしているのは良いことだと思い、そのままにした。

さて、気になるオリエンテーリングの状況だが、この格好では情報を求めに行くのも辛いので、皆が船橋を渡り終えた後、タソガレドキ布陣の方へと踵を返し、ユキちゃん達やリタイアした者達のところへと戻った。


空『ユキちゃん、状況は・・・?』
(ユキちゃん、状況はどんな感じですか?)

ユ「灰色お姉様!!今の状況ですか?
3年生と5年生率いる組が全滅して、現在の一位は中在家先輩ときり丸の組ですね。」

空『そう・・・。・・・ありがとう・・・。』
(そうですか。情報ありがとうございます。)


情報を聞いて状況が理解出来た。目を細めて最終目的地を見つめていると、いつも通りの喧嘩を始めた文次郎君と留三郎君が見えたと思ったら最終目的地の道のりにある小橋が壊れて落下した。

お「たいへんでしゅ。皆の重さに待機れず、橋が落下。五組が脱落しましゅたー。」

不「すごい棒読みだね;」


さらにさらに、先を進んでいた選手達は、急な坂道の途中で体勢を崩した小平太君&金吾君に後ろにいた仙蔵君&兵太夫君、川西君&乱太郎君の組までもが脱落した。


ユ「てなわけで、中在家長次&摂津のきり丸組が見事優勝です!!」

.





空(終わった・・・。)

数(あ、そうだ。タソガレドキ城とカワタレドキ城の会談はどうなったんだろう。)

空(あぁ。あれ、斎藤・・・がタソガレドキ城主の髪型を伝子さんにして・・・失敗させた・・・。)

数(うぇえ?!そんな事して大丈夫なんですか?!)

空(大丈夫じゃないと思う・・・。後々に何も起こらないといい・・・けど・・・。)

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