激安☆現実味
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伊作君が雑渡さんとの話を終え、こちらに帰って交渉の結果を発表したところ、私達が何故だか南蛮衣装を着てファッションショーのモデルになるという話になっていた。
空(・・・
・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・うん、帰ろう)
数「ああー;帰ろうとしないで下さいよ灰色せんぱーい(泣)」
学園の方に足を進めた私に数馬君が抱きついて止めにかかる。
空(止めないで数馬君!!
このうん十年、そういうのには慣れてない生き物の私ですから!!
ええ、そうですよ!!小学生時代、学芸会のお遊戯ではいつも草か木の植物に擬態していた私ですよ!?
今では石の変装やら私の空気を消すなんてお手のものになってる程の力を手にいれましたありがとう!?
そんな奴が南蛮衣装を着て、モデルウォークしてランウェイしろとな?!いっそ、殺して下さい(泣)!!!)
無言で数馬君をジッと見ているとこのオリエンテーリングで仲良くなった分、気持ちもなんとなく以心伝心できるようになったのか、苦い顔をして私を説得する数馬君。
数「無言でも言いたい事は何となくわかりますが、我慢して下さい」
渡された衣装は男物では無く、れっきとした女性用なのでまた、学園へと踵を返す。
数「わー!!帰らないでくださーい;」
竹「うわぁ。女性用ってこんなのなのか〜」
初「僕達のとは見るからに違いますね」
黒「でも、色鮮やかで綺麗だな」
し「パパもママにこんなの買ってあげてたの見たよ」
仙「お前達;女性の物を無闇矢鱈に触るな;
あとで、空が着るんだぞ?」
空(うん、怒るところ違うからね仙蔵君)
もう、嫌の限界を超えてしまった私は本格的に帰ろうとすると、青葉さんが私の前に現れた。
青「お姉様!!どちらへ行かれようとしているのですか?」
空『青葉・・・・・そこを退いて・・・・・』
(青葉、渾身のお願いですから、そこを退いて下さい)
青「いーえ!お姉様からの指示でも引きませんわ!」
一生に一度とない、くノ一同士の睨み合いに周りの空気が冷たくなった。
空『こんな・・・・・の・・・・・・・・・・・・・・・忍を目指す身で・・・・、・・・・する必要ありません。』
(こんな、お肉ブヨブヨの肉体を披露するなんて私の人生の汚点でしかありませんし、忍を目指す身です。こんなのする必要ありません!!)
久々にはっきりとした意見を言う私に驚いたのか、ビクッとする青葉さん。
青「ご意見はごもっともです・・・・。」
空『なら・・・。』
青「ですが!!もし、忍の仕事でこんな事が起きたら如何されます?今回と同じように断りますか?」
空『・・・。』
青「私も一緒に着ますから大丈夫ですよ♪ね?」
後輩に窘められ渋々、女性用の洋服を持ち女子の着替えの場へと先に向かった。
〜お着替え中〜
空(な、なんじゃこりゃーーー!?)
心の中で叫び出す私の格好は、赤いを中心とした素肌を見せないよう首まであるド派手なドレス衣装であった。
しかも、斎藤君が来て南蛮風に髪を結ってくれて、羽根の帽子付き。
青「とても、お似合いですわお姉様♪」
空(いやいや、お腹の肉がコルセット無しで入った青葉さんの方がお似合いですって(泣))
青葉さんの方はピンクを中心にしたドレスを着こんで、髪も私同様、斎藤君の手によって結ってもらったようだ。
空(こんな格好で人様の前に出られないですよ(泣))
うじうじしていると、ファッションショーが開始されたのか、トモミちゃんの解説が聞こえてきた。
青「さぁさぁお姉様♪タソガレドキの男共が登場しましたよ♪
次は私達の出番です♪三治郎!三反田!入ってきていいからエスコートしなさいよ。」
夢「お邪魔しまーす。
おおー!!!空先輩かわい〜(笑)」
数「と、とっても似合ってます///」
青「当たり前よ。お姉様なのですから。」
空(青葉さん、意味が解らないですよ;)
二人が気を利かせてお世辞を言ってくれるのは嬉しいが、もう無理帰りたい。
一人で愚痴てると数馬君に手を引かれて皆の前へと登場させられる。
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