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□蕩けそう
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刺す様な霊圧に気がついて振り向くと、そこには六番隊隊長がいつの間にか佇んでいた。

「痛っ。何やの。朽木隊長サン。」

「兄はよもや解らぬとは言うまいな。」

ちょうど舞台では、彼の義妹が4番隊副隊長の肩に上がり、11番隊副隊長を持ち上げている所だった。

衣装の隙間から愛らしいヘソが覗く。

「!」

急激な霊圧の上昇で、彼ら二人の周りは空気がゆがんで見えるようだった。もっとも、吉良達副隊長を含め立ち上がれる者はほとんど居ないようだったが。

「何の事やら」

それでも市丸クラスになるとこの程度で霊障を患う事もなく、飄々と言葉を返す。

しかしその時、フィナーレのセクシィポーズを決めた乱菊が目に入ってギンはもう一度目を剥く事になった。

しかも、畳みかける様に二人の男の会話が耳に入る。

「やあ、健康的で良いね。」

あっけらかんとした浮竹の声に被せて、笑みを抑え切れない低い馴染みの声。

「美しい花の様だね。」

明らかにギンの動揺や白或の怒りに気がついて意地の悪い元上司は大層面白がっているようだ。

思わずカッとなる。

気が付いた時には、既に神鎗でメインの照明を貫いていた。

大きな破壊音と、ギンが再度思わず漏らした霊圧と白或が意図的に上げた霊圧で会場は呻きのたうちまわる男性隊員達で、阿鼻叫喚状態だった。

その時、薄暗い舞台がポッと明るくなった。

乱菊が鬼道を明かりがわりに使ったのだ。

美しい顔が暗闇から浮かび上がる。
蕩けそうな笑顔。

ギンは思わず息を呑んだ。

乱菊は真っすぐギンを見つめて口角を上げた。

夜叉の笑み。

あァ地獄や。知らん間に墜ちてしもたんやな。

この現実から逃げたくてギュッと目をつぶった。

嗤う上司の顔が浮かぶ。

強く復讐を誓った。

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