from me

□年の差6つの恋
1ページ/2ページ

「あっつ」

乱菊は誰もいない教室で一人で座っていた。



「なんでアタシだけ補習なのよ…」

乱菊は成績は学年で常にトップ。だが出席日数の不足で補習となってしまったのだ。



「授業受けなくてもできるんだからいいじゃない…」


本当は今日から誰に咎められることもなく、家でゆっくり寝ていられた。そう思うと、サボり魔の乱菊としては文句のひとつやふたつじゃおさまらないほど腹がたってくる。


ガラガラ

「おはようさん」

そこへ銀髪の狐面が能天気に入ってきた。

入学してから1年ちょっと、ずっとこの男に憧れいる乱菊。

だが、それを認めたくない自分も確かにいて最近ではこの男をどうしても避けるようになっていた。


「あれ、キミひとりなん?しかも成績優秀な松本さんやないの。なんでキミがおるん?」

「あぁ、キミ、サボり魔やもんなぁ…」

「早く始めてください」

「なんや、えらい不機嫌やなぁ、そないに補習嫌なん?」

「早く始めなさいよ!!」

「まぁまぁ、そないに怒らんといて?今日からキミの補習担当はボクなんやから、一個条件飲んでくれたら明日からキミが学校けぇへんくても出席にしたるで?」

「ホントに?何条件て?」

「ボクと付き合うて?そしたら出席にしたるわ」

「は?」

「だってキミ、かわいいやん。付き合うてよ」

「アンタ教師じゃない!!」

「そんなん関係あらへんよ。な?」

「嫌よ…噂になったら…どうすんのよ」

「そんときはボク、教師やめる覚悟できてんで?」

「嫌よ!!教師じゃないアンタなんか、ただの無職の狐じゃない!!」

「ひどいなぁ、じゃあ、絶対バレへんようにする。それでどや?乱菊」

「しょうがないわね…それで補習なくなるなら、…つ、付き合ってあげてもいいわよ?」

「ホンマに?その言葉忘れんといてな?」

「えぇ」


こうして年の差6つの恋は始まった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ