微妙な19のお題

□09.嫌い、だけど好き 嫌い、だから好き
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「ちょっと恋次〜!!あんた、ペース遅いわよぉ?もっと飲みなさいよぉ」


何があったのかわからねぇけど、今日の乱菊さんは機嫌が悪い。

いつもは人の何倍も飲むくせに、全く酔わない乱菊さんが、今日はもう少し酔い始めている。


「飲んでますよ。乱菊さん、今日、ちょっと酔うのはやくないっすか?」

「うるっさいわねぇ。修平!恋次なんてほっといてアタシたちだけで飲むわよ!!」

「…の、飲みましょう、乱菊さん!阿散井なんてほっときましょう」


俺は乱菊さんに嫌われたくねぇから、素直に酒を飲んだ。
明日も仕事あんのに…
絶対俺、二日酔い。


「乱菊さん、どうぞ」

「ありがとーしゅーへー!気がきくじゃない」


乱菊さんのコップに酒を入れると乱菊さんは笑顔で俺に礼を言った。

俺、今幸せだー!
明日のことなんてもう気にしねぇ。


「乱菊さん、もっと飲みましょう!」

「おーー!!」


「おーー!!やあらへんよ。乱菊、こないなとこにおったん?探したんやで?」


俺の幸せなんてそんな長く続かねぇよな。

気配もなく俺たちの席に近づいてきて、乱菊さんの腕をつかんだのは、俺の大っ嫌いなキツネ野郎。
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