song
□だいっきらい でもありがと 青山テルマ
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ねぇギン…
今頃アンタ何してんの?
虚大圏って暗いんでしょ?
真っ黒なんでしょ?
真っ白なアンタはそんなところ、似合わないわよ。
アタシ、もしアンタと一言だけでも言葉を交わせる日がまだあるなら、ひとつだけ聞かせてほしいことがあるの。
アンタ、アタシのことなんてどうでもいいと思ってんでしょ…?
(アタシはそうじゃないわよ)
ほんとはね、どっかでアンタに会えるなら、絶対殴ってやるって思ってるの。
だってアタシ、強い女だもの。
男なんかに泣かされない強い女だもの。
でもね、たぶん、アンタの顔見たら泣いちゃうわ、声すら出せないわ、きっと。
アンタだからよ。
ねぇ、だから聞かせなさいよ、ひとつだけ。
愛してるって何度も言ったじゃない?
あれ、一度でも本心で言ってくれたの?
大嫌いだってもし今言えたとしたらアタシのこの胸の痛みは消えるのかしら。
アンタみたいな狐野郎、忘れられるのかしら。
「ごめんな」なんて言葉で簡単に終わりにできるのは置いていくほうだけなのよ。
プライドとか全部関係なくて、置いていかれるほうはそんなにすぐに終わりにできないのよ。
アンタ、置いていかれるほうの気持ちなんてわからないものね。
昔から置いていかれるのはいつもアタシ…
今でもどこかでアンタと会えるなら、絶対殴ってやるって思ってるの。
でもね、きっと、アタシ、アンタの顔見たら許すのよ。
昔からそうだもの。
聞きたかったこともきけずに。
だから今聞かせて、ひとつだけ。
ずっとそばにいるって何度も言ったじゃない?
あれ、一度でも本心で言ってくれたの?
ねぇ、この思いは、この胸の痛みは、いつまでアタシのこと苦しめれば気が済むわけ?
アタシ、いつまでアンタのために泣かなきゃなんないわけ?
愛してるって何度も言ったのは一度でも本心だったの?
大嫌いだって今大きな声で言えたとしてもこの胸の傷みは増えるだけね、きっと。
アタシのこと振りまわせる男ってアンタくらいのもんよ。
「だいっきらい・・・でも ありがと・・・」
きっとアタシは許すわ。
だから…帰ってきなさいよ。