恋をする

□02.初めて僕は恋をした
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ボクは初めて恋をした。


それは小さくて儚げな女の子やった。


キミに会うたのは流魂街の最低の中の最低な場所やった。

そんなかで倒れてた君は周りの誰よりも輝いとった。



…そんなキミに初めてボクは恋をした。



それは小さな恋やった。


あの頃は毎日キミのためにいろんなもんをいろんな手使って手に入れとった。

服も、食べ物も。


どんなもんでもキミは喜んでくれた。

それがどうしょーもなく嬉しかったんや。




なのに…

「なんでキミ、そんな風になってしもたん?」

「は?」

久しぶりに重なった非番を一緒に過ごしていた乱菊に言った。

沈黙のなかで行きなり口を開いたギンの言葉に少し眉を寄せて乱菊は答えた。


「昔はなんでも喜んでくれとったのになぁ…」

「アタシを贅沢にしたのは誰?アンタの地位とアンタのお金でしょ?なんか文句ある?」

「ないです…」

「だったらちゃんと面倒見てよね?」

「はい。ボクが一生面倒見ます…」

「それでいいのよ♪」

「はい…」



もうボクの恋した小さくて儚げな女の子はおらんけど、誰よりも綺麗で誰よりも輝いとる女の子がおる。

ボクの初じめての恋はまだまだ続くんやろな。




これからもずっと…
 

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