虹の呪い
□お金より好き
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バイパーは今、ユーロ・円・ドル・・・などなど数えている。世界の金までも集めてしまうバイパーは結構な金持ちだ。
そんなバイパーはそんな物よりも大切なものなど無かった。
金があれば何でもいい・・・それだけだった。
「バイパーさん、一緒に散歩に行きませんか?」
まだそんなに仲など好くなかったので、さん付けだ。バイパーはそんな風に視線も言葉も向けなかった。
そのバイパーの態度が腹たったのか、リボーンとヴェルデが何か言ってきた。
リボーンとヴェルデは風を我が物にしようと争ってるが、風の天然・鈍感の所為で返り討ちにあう哀れな奴らだ。バイパーは幻覚でリボーンとヴェルデを追っ払うと、仕方なく風に言葉をかけた。
「いい、忙しいんだ。僕は」
「でも、外に出ないと身体に毒ですよ?」
「いい、仕事でよく外に出てるから」
「・・・苺ミルクの美味しいジュース屋があったので奢ろうと思って誘ったんですが」
「行く」
バイパーは椅子をガタッといわせ、立ち上がると金を財布に入れだした。
苺ミルクはバイパーの好きな飲み物だ。奢ってくれるなら外に散歩に出るのも悪くない。
「じゃ、行きましょうか。少し遠いですが」
「うん、行こう」
リボーンとヴェルデはorzと言うカンジで落ち込んでいた。そんな事はどうでも良いのかバイパーは行く気満々に風の手をひっぱた。
風の手は細く、色は透き通るように白く、爪も切りそろえられツヤツヤしていた。手の温度は温かい。
バイパーはじ〜っと風の手を見た。感触はプニプニしてるし・・・でも細いし・・・とても拳法をしてる手には思えない。
「君の手って温かいね」
「それリボーンやヴェルデにも言われました。でも、バイパーさんの方が温かいと思いますよ」
「まぁ、女子より男の方が温度高いって言うしね」
「そうですね。私もそれを聞いたことがあります」
「よく見れば、君の顔って綺麗に整ってるよね」
「そうですか?」
「うん、女性ってカンジだね。まぁ、女性だけどね」
実はバイパー・・・風を女性だと思っている。風もバイパーを女性だと思っている。お互いにそのことを知らない。
「バイパーさん、もうそろそろですよ」
「そう、じゃあ、行こうか」
そして、店に入った。