クール時々、電波
□それは別の人にね?
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「あっつ……」
朝になったのは太陽が昇ったことで気付いた。
でも、眠たくて中々目を覚ませない。
「……ってか、暑い要因おまえだろ!!」
「お兄ちゃんに“おまえ”だなんて。そんな風に育てた覚えはないぞ」
「……育てられた覚えもない」
知らないうちに、同じベッドにいるってどういうことよ?
何度も兄さんのお腹を蹴る。
「いや、に、お兄ちゃん、そういう趣味ないから」
「私だってないわ!」
「……?」
「あれ?」
微妙に会話にズレを感じた。
どこまでの正解か、聞きたいが聞くのが恐い。
「俺、マゾじゃないから」
「あ、そっち。いや、私は兄妹でって意味で……」
ニュアンスのせいか、互いに嫌な空気が流れた。
頼むからさ、その、私普通でいたいのよ。