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□夢
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「今日、なんか変な夢を見たんだ」


机に眠るように腕枕をしていた。
だけど、目線は隣の奴で、俺の恋人のソラ。

女の子みたいで、小さくて柔らかくて、ちょっと素直じゃなくて、ツンデレで……。


まぁ、それ引っくるめて好きなんだけどな。


「どんな夢?」


ソラは呆れるってことが無いのか、いつも俺の雑談に付き合ってくれる。

本当に良い奴だ。


「んー、俺とソラがデートするの」
「……まぁ、確かに叶わないね」
「……」


そう。そうなのだ。俺が今、通ってるのは全寮の男子校。しかも、恋愛ご法度っていうもん付き。

ほんと、めんどくせぇや。

少しでも近くて一緒に歩いてるの見られたら、互いに近くにいるの禁止される。


そこまで厳しいんだ。

だから、ソラと一緒にデートなんて夢のまた夢だ。


「でも……」
「ん?」
「でも、僕は、アオイと一緒にデート……したいな」


真っ赤な顔を教科書で隠しながらソラは呟く。


反則だろ、それ……。


俺の顔まで赤くなるのが分かる。


「ねぇ、アオイ。今日……アオイの家に行っちゃ……ダメかな?」
「………」


ノーなんて言うわけ無いだろ?
言うやつ全員ぶっ飛ばしてやる。


「じゃあ、放課後ね」


いつもの自宅デートだと分かりつつも、期待してしまう。

ソラとキスして、それ以上を望んで?


違う違う。


ソラの温もりだけ感じれたら、俺は何もいらない。


夢じゃ温もりも無かったからな。
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