BGL
□変化
1ページ/9ページ
少しだけ泣きたくなる。
なぜなら、あれから毎日のようにソラが私の教室にやって来るから。
周りもビックリしたように顔を歪ませ、中には並ぶなよ、とまで言う人もいる。
私に言わないでよ。
「じゃじゃーん。今日はお弁当を作ってきました」
そのソラの言葉に、男子がざわつく。
家庭的なんだと私が思うよりも、男子が何で私なんだと小さいけど確かに聞こえた。
だから私が聞きたい!
「アオイの好みが分からなかったから、いっぱいお野菜とお肉を入れたの。栄養満点」
ニコッと笑うと、周りが予想通りの反応。
倒れる人までいるのは予想外だけど。
「アオイ、今度は好きなもの作るから教えてね」
「えっと……」
食費が浮くとか考えた私バカ。
ソラは本当に優しくて尽くしてくれる。
もし私が男ならホレるし、ダメな男に育っただろう。
尽くされるのって、最初はいい気分でも後々ウザったくなるから加減が大事だよね。
何で女の、しかも一度も恋人がいなかった私が言うんだ。