BGL
□どきどき
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「なあ、ヘタレ」
「ヘタレ言うな」
ただいまの時刻、草木も眠る丑三つ時というところだ。
ちょっと前に恐い和風ホラーを仲間たちとやっていて、面白半分で近くのホラースポットに来てみた。
霊感のある俺と、ないヘタレのソラ。
ここは本当は何もない普通の場所。
それを知るのは俺のみ。
「か、帰ろうって」
「なに怖がってるんだよ」
「怖がってねぇ、よ」
すごく怖がりなくせに意地っ張りな先輩。
けど、そこが可愛いとか思えるんだよな。
「チャラ男。もう帰ろうぜ」
「なんだよ、来たばっかだろ。それに俺は見た目はこうでも真面目だかんな」
よく勘違いされやすいが俺はソラに一途だ。
ソラはそんなこと知らず、そわそわとしてる。
あー、後ろから抱きつきてぇ。