ウィッチーズの本棚2
□ストライクウィッチーズ〜翼を失ったウィッチ〜 第一話
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バルクホルンとハルトマンの二人が司令室に入ると、ミーナが一枚の書類を見ているところだった。
「あら、来たのね。ごめんなさい、こんな早くから」
「いや、かまわないさ。私はとっくに起きていたからな」
「私はまだねてたのにー」
不満をもらすハルトマンを無視し、話を続ける。
「それで、急な用事とはなんだ?」
「実は、つい先程上から新しいウィッチの出向の連絡が来たの」
「ずいぶん急だな」
連絡を受けたときのミーナと同じ表情になるバルクホルン。
「どこから来るの?」
「カールスラントからよ」
「いつ頃に来るんだ?」
「今日よ」
コンコン。
ミーナが答えたのとほぼ同時に、ドアがノックされた。
「どうぞ」
「・・・失礼する」
入ってきたのは、ダークブラウンの長髪を持つ長身の少女だった。ミーナ達の前まで進んだ少女は、敬礼する。黒いジャケットの胸にある、カールスラント空軍のマークが光に反射した。
「カールスラント空軍より出向した、アルステーデ・R・クレヴィング大尉だ。よろしく」
「連合第501統合戦闘航空団、ストライクウィッチーズへようこそ。歓迎します。・・本当に久しぶりね、レスティ」
敬礼を返しながら、久しぶりに会う友人の姿に嬉しそうに微笑むミーナ。それに少しだけ口元を緩めたクレヴィングは、ふと視線を横に向ける。
「…そこで動かない、堅物大尉とずぼら中尉は何してるんだ?」
「誰が堅物だ!」
「レスティ、久しぶり〜!」
驚いて固まっていた二人だったが、クレヴィングの言葉に復活し直ぐ様噛みつくバルクホルンと、ジークに抱きつこうとするハルトマン。
「相変わらずだな、二人は」
抱きつこうとしたハルトマンの頭を掴んで停止させ、軽く息をついたクレヴィングは視線を元に戻した。
「そっちこそ、変わってないようだな。クレヴィング」
「それじゃあ、隊員たちにあいさつを・・・といきたいところだけど、実は美緒・・・坂本少佐が新しいウィッチを迎えに扶桑へ行っているし、急の通達だったから、みんなに連絡もしていないの。そういうわけで、基地内を案内している間に、他の隊員たちへのあいさつも済ませておいてくれるかしら」
その言葉に真っ先に挙手したのは、意外にもハルトマンだった。
「はいはい!私が案内するー、ヒマだし」
「ではお願いするわね、ハルトマン中尉」
バタン。
「ハルトマンだけでは心配だ。私も行くぞ!」
ハルトマンに続き、バルクホルンも部屋を出て行った。