ToLOVEる 改
□第二話〜
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sideララ
結婚しようって告白したけど、やっぱりもっと雰囲気を大事にしたほうがよかったのかな?
気持ちに嘘はないから問題ないような気もするんだけど〜。
「あ、見ーっけ!! あれがユーリの行ってる学校ってとこなんだ♪」
あの建物の中にユーリの姿を見つけたから間違いないよね。
それに出来るだけユーリと一緒の空間に居たいもん。あのときに落としていったお弁当も届けないといけないし。
「ララ様」
「なぁに? ペケ」
早くユーリに会いたいって考えているとペケが不意に声をかけてきた。
「本気であの地球人と結婚なさるおつもりですか?」
「そーだよ、何で?」
「ララ様は銀河を束ねるデビルーク星の第一王女です。そのララ様と結婚するということはあのユーリという地球人を――」
「私は本気だよ? それに本当にユーリと結婚することになったらもう――……今は私の好きにやらせて、ペケ」
「はぁ……わかりました」
ペケが私のことを思ってなのか、それとも――。
それに私の行動を制限はしてほしくない。だからこそ、この行動の意味もある。
でも、今はこのお弁当を届けないとね♪。
~side end~
昼休みになって昼食をとるために鞄から弁当を取り出そうとする。
しかし、いくら探しても弁当は見つからない。
「う〜ん、朝は確かに入れたはずなのですが……。もしかするとあのときですか」
ララが突撃するかのように突っ込んできて受け止めたときに落としたのだろう。
それしか考えられない。確か、あのときは本を取り出そうと鞄を開けていたはずだ。
「しかし、困りました。今から購買に行っても売り切れているのが関の山」
どうしようかと考えているとダダダダっと廊下を走り、教室のドアを開け、誰かが入ってきた。
「ユーリ! どーゆー事だよ、おい!! スッゲーかわいい女の子がお前のことを探してるぞ!!」
「猿山、騒がしいですよ」
「そりゃ、わかってるよ。でも、お前を捜してる女の子が居るんだよ!」
女子が大好きな猿山だった。
その女の子のいる場所を聞いて歩いていくとどんどんとざわめきの声が大きくなっているのがわかる。
どうやらかなりの注目を集めている人物のようだ。
「ユーリ! どこー?」
とても聞き覚えのある声が聞こえる。
階段を降りて声のする方向を見ると目立つ衣装にピンクの髪、間違いなくララだった。
「良かったら俺らがユーリってのを探すの手伝ってやるよ」
「ほんと!?」
「……ララ」
上級生の二人が僕を探すのを手伝うという声が聞こえるが、もうすぐにララの場所に着くので意味はない。
そして僕が名前を呼ぶとすぐにこちらを向くララ。
「あ、ユーリ! 見つけた!」
「どうしてここに?」
「はい、コレ! あのときに落としたみたいだから届けにきたんだー♪」
「やはり、あのときでしたか。助かりましたよ、ララ」
ララがここに来たのは落としてしまったお弁当を届けるためだった。
ありがとうと礼を言って受け取り、周りを見るとかなりの注目を集めていた。
特に男子からの視線がすごかった。男子を代表して猿山が口を開く。
「おい、ユーリ。誰だよ、その子! どーゆー関係だよ!?」
「(う〜ん、どう説明したものか。正直に宇宙人ですなんて言う訳にもいかないですし……)」
僕がどう答えたものかと考えているとララが抱きついてきた。
そしてゆっくりと口を開いて僕との関係性を答える。