Book.

□バレンタインですね・続
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「なーなー欠陥ー」
そんな風にだらけた声を吐き出すのは零崎。
そして実際だらけている。
彼に、ぼくは「何だ失格」とだけ言う。
これは建前。
勿論本音は違う。
本音。
可愛い。
……。
修飾語をつけるなら、襲ってしまいたいぐらい可愛い。
と。
状況説明が追いついてなかった。
簡単に言うと、ここはぼくのアパートだ。
ドアのぶち壊れている、ボロい部屋の中だ。
そして零崎は、そのドアを直し終えたばかりだ。
まぁ、応急処置ってやつで、雑にやったみたいだから、早く終わったけど。
で。
ぼくがこんな零崎可愛い可愛い言ってる理由は、その姿にあったり。
なかったり。
あるんだけど。
…正直に言ってしまおう。
零崎の、今の姿は。
非常に、エロい、のだ。
そう、えろえろなのだ。
詳しく、言いたくないけど、言おう。
なんせ、壊したのはドアだ。当然力仕事になる。
で、途中から暑くなったらしい。
まずぼくに「髪くくって」と言ってきた。
ここはまだいい。
問題はこの先だ。
何故か零崎は。
ぼくが渡した上着を脱ぎ始めた(いや暑いからなんだろうけど)。
ということで。
着ているのはVネックの長袖のみ。
大切だから言っておくと。
首元の露出が半端でなかった。
鎖骨とかその首の細さとか。
はい。
ここで既にぼくの理性が飛びそうになった。
というか、本当に一瞬飛んだ(なんとか抑えたけど)。
言うまでもないと思ったんだけどね。
しかも、まだある。
あろう事か零崎は、おもむろに腕まくりまでしたのだ(暑いんだなってわかるけどさ!)。
もうやめてください零崎さん。
まじ勘弁してください。
理性がいつ吹っ飛ぶか分かりませんから。
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