Long Story
□其の四(2/3)
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慈「今少し、長生きもできたでしょう!」
そう言うと慈楼坊は、自らの斬魄刀を前へと突き出し、一つ二つと数え始めた。
慈「…四つ!五つ!…」
織「…あ、ありがとう石田くん……もう大丈夫だよ…」
雨「…ああ、そうだね」
先程までの雨竜と顔つきが違うことに、織姫は気が付いた。
やはり雨竜は、今でも死神が憎いのだろうか。
死神は“敵”なのだろうか。
慈「十!!さあ、後悔の時間はお終いです!!存分に後悔できましたか!?」
雨「…来るよ!」
織「うん!」
慈「それではここからは……更なる後悔の時間です!」
喋り終えた慈楼坊は、2人目掛けて斬魄刀を振り下ろした。
その一撃を避けると、雨竜より先に織姫が攻撃をする。
織「椿鬼!!『孤天斬盾』!『私は拒絶する』ッ!!」
慈「はっ!!」
声と共に振り上げられた斬魄刀は、一振りで椿鬼を傷付けた。
織「椿鬼くん!!」
叫ぶと同時に織姫は、その手で傷ついた椿鬼を受け止めた。
椿「馬鹿野郎が……中途半端な撃ち方しやがって…!」
途切れ途切れに言うと、椿鬼は織姫の髪留めに戻っていった。
慈「初めて見る術ではありましたが、あなたの攻撃に殺意などまるでなし!」
織姫が椿鬼を心配しているうちに、慈楼坊は彼女の後ろへと移動していた。
慈「そんな術では、たとえ虚は倒せても、死神には到底通用しますまい……ここを、どこぞの遊戯場と勘違いしておいでか?」
織「っ…!」
慈「ここは戦場!殺意の籠らぬ攻撃で止められるものなど、何1つなし!!」
慈楼坊は織姫目掛けて、斬魄刀を一気に振り下ろした。
織姫はその場に立ちつくし、攻撃から逃げることが出来なかった。