文
□どきり。
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準備が整い、ペインはデイダラの隣の椅子に座った。
『傷を見せてみろ』
「…………」
デイダラは黙ったまま、身につけていた衣類を脱ぎ上半身を見せたところ、思った以上に深手を負っていることが伺えた。
『お前がここまでやられるとは……。苦手な雷遁とは言え珍しいな』
ペインはデイダラの胸や腹、背中についた傷ひとつずつに消毒をし、テキパキと処置を施していく。
「……今日は特にサソリの旦那の機嫌が悪くてな、うん。作戦もろくに立てずに行き当たりばったりの戦いだったぜ」
『それは困ったものだ』
「挙げ句の果てには“やっぱりコレクションにするから敵を爆発させるな”だって?じゃあオイラはどうやって戦えばいいんだって話だ、まったく!」
『……………』
デイダラの不満を聞きつつ、ペインは彼の深手の理由が、ただ単に敵との相性が悪かっただけではないということを知った。
『では、お前は敵が爆発しないよう、普段と違うスタイルで戦った訳だな?……サソリのために』
消毒液に浸された綿球が傷口に当てられ、背中に刺すような痛みが走る。
ペインの言葉には何かを確かめるような鋭さがあり、耳に残る言い方だった。
思ってもみなかった質問に、デイダラは当然のようにたじろぐ。
「な、なんかリーダーは勘違いしてるぞ、うん…」
『どの辺がだ?』
「それは……」
何も言い返せないで目を泳がせているうちに、上半身の手当ては終わったようだ。
『……あとは顔だな、こっちを向け』
「…………」
……なんか今日のリーダーはいつもと様子が違うな。
そんなことをぼんやり考えつつ、言われた通り顔を上げると────
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